十大弟子を、身近に、今ではだれでも知っている。
本職の坊んさんが、今まで何をしとったんや、と
叱られているかに思えてならない。
東大寺長老 清水公照著 「しあわせを創る」より抜粋
舎利弗 シャリホツ 知恵第一 |
目連 モクレン 神通第一 |
迦葉 カショウ 頭陀第一 |
須菩提 スボダイ 解空第一 |
富楼那 フルナ 説法第一 |
迦旃延 カセンネン 論義第一 |
阿那律 アナリツ 天眼第一 |
優波離 ウバリ 持律第一 |
羅ゴ羅 ラゴラ 密行第一 |
阿難 アナン 多聞第一 |
十大弟子について
望 月 信 成
インドにおいて西暦前五世紀の後半に新しい宗教を開発した釈迦牟尼(Sakya―muni)佛
以上十大弟子は釈迦仏の教法の会得にそれぞれ第一人者として崇拝され、古来からその造像があって、礼拝されて来た。
わが国にも奈良市興福寺に天平時代の乾漆造の名作が遺り、中国では唐時代末に活躍した禪月貫休が描いた画像が有名である。特に禪月の描いた象は十大弟子とも胡貌梵相に表わすをもって特色があり、異国の人を誇張して表現することに全力をあげ、意表外の異様な風貌、現実離れをした着衣、持物などを描いている。中国ではこれに倣って、各時代の十大弟子像を描いているが、ここに示す東大寺長老の清水公照筆の像もまたそれを踏襲して、異様な雰囲気の像が画面一ぱいに溢れている。
(元大阪市立美術館館長)